「生まれてこなければ良かった、と思うくらいの恨みです」 | 本で出逢った感動の名言
本で出逢った名言・名セリフ
「生まれてこなければ良かった、と思うくらいの恨みです」
重力ピエロ より
そのセリフに感銘を受けた理由
『重力ピエロ』は家族の絆の物語、兄と弟、父と兄弟、そして亡くなった母の物語です。このセリフは兄が探偵黒澤に語ったセリフです。実は弟の春は父の実子ではなく、母がレイプされてできた子どもなのです。
簡単に言ってしまえば、母をレイプした男であり、春の遺伝子上の父親である葛城に対して、兄弟はそれぞれ敵を討とうとするわけです。もちろん家族を巻き込むことなくそれぞれがたった一人で、です。
弟が「生まれてこなければよかった」と思うほどの苦しみをずっと抱えて、性的なるものをずっと嫌悪せざるを得なかった気持ちを、兄は言葉には出せなくても、ずっと理解し、心の中で痛みを分かち合ってきたこと、それがよくわかるセリフなのです。
回答者:50代 女性
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