原子の隙間を光は通り抜けないの? | [書評]人類を変えた素晴らしき10の材料: その内なる宇宙を探険する


原子と原子の間には隙間が空いているにも関わらず、なぜその隙間を光は通り抜けないのでしょうか?

一見エンジニアとは無縁に思える素材(マテリアル)についての書籍ですが、異なるジャンルの書籍を読むことは物事を別の視点から見るための助けになります。

物事はまさに表面からしか情報を得にくいものです。けれども材料のその内部に目を向けることによって、何故という疑問が解けることはもちろんのこと、普段何気なく目にしているものに対して何故なのかという疑問を持てるようになります。

例えば何故ガラスは透明なのか、これは自然な疑問です。けれども何故その他の物質は透明ではないのかという発想が生じることになります。これは物質を構成する原子の構造を知ることによって生まれる疑問です。

原子は原子核と電子でできていることは多くの人が知っています。では実際にそれぞれの大きさがどの程度のものなのかを把握している人はどの位いるのでしょうか。

本書を読めば、原子というものがいかに巨大な空間を持つものなのかを知ることになります。

つまり物質はスカスカの状態で構成されていることが分かるのです。その隙間を何故光は通り抜けないのか、そのような疑問を持ち、そして答えを知ることはエンジニアの仕事に大いに活かされます。

誰もが気づかないような疑問を持ち、その解決策を探ることで仕事の幅を広げることができるようになります。決して専門書ではなく、一般のビジネスマンに役立つものとなりますし、またプログラマやSEにとっても新たな視点を得る良書と言えます。

この本を読むことで知的好奇心をかき立てられることになります。


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