最近一生懸命じゃないなと思ったら読みたい一冊 | 読むと旅に出かけたくなる本
最近一生懸命じゃないなと思ったら読みたい一冊
ヴェネツィアの宿 より
須賀敦子さんの、イタリアでの暮らしぶりが描かれたエッセイ作品です。美しい描写とテンポのよい内容から、ご自身の実体験を元に書かれた作品とは思わず、小説のような感覚で読みました。
ヨーロッパへの旅は昨今、安全面から倦厭されがちでもありますが、ここで描かれる、暮らしに一生懸命な人々、陽気で明るい街の様子に誘われてイタリア、ヴェネツィアまで行ってしまおうかという気持ちになりました。たのしい海外の空気感に包まれた作品ながら、須賀さんの人生観や、日本と海外を取り巻く時代の影にしばしばはっとさせられます。
自分探しの旅というのを一時よく耳にしましたが、もし、自分の人生をすこしだけ、あるいはしっかりと見つめ直したいと思うときがくれば、迷わずこの本を道連れに、旅に出たいと思わせる一冊でもあります。
回答者:20代 女性
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