幸せのメカニズム 実践・幸福学入門


社会全体としての幸せさを向上させるために、地位財より非地位財を重視することで、幸福度が高くなるという人類に役立つ幸福追求が、学問として体系的に説かれてます。

地位財とは社会的地位や年収のことで、非地位財とは健康や心のやすらぎといったことです。地位財を社会的利益、非地位財を個人的利益だと言い換えますと、世間の多くの人は社会的利益による幸せばかりを追求しています。

しかし、それは間違った幸せ探しです。

生きていくうえで、ある程度の社会的利益は必要ですが、過激なまでに社会的利益を追求してしまえば、個人の幸せが脅かされる可能性があります。つまり個人的利益がマイナスになってしまうのです。

ときとして、社会的利益と個人的利益は反比例の関係になる場合があります。この本では、主観的なアンケート結果を統計的に処理することによって、幸福の因子が導かれています。
そして、幸せになるための四つの因子が紹介されています。また、行動経済学などの流れを継いで、主観を取り込んだ経済学も模索されています。
幸せのメカニズムとして、社会的利益と個人的利益のバランスが大切になります。
社会の成長と個人の幸福について、改めて考えさせられる本です。

ロボット学者の視線から、幸せについてのコントロール方法が、独特な理論とともに科学的な内容も多く取り上げられていて、非常におもしろく展開されています。


あわせて読みたい