ソーシャル物理学:「良いアイデアはいかに広がるか」の新しい科学


膨大なビッグデータの解析により、社会や個人に対して集合知が及ぼす影響について、独自の視点で分析した書籍です。

ある人が、新しい習慣を身につけるかどうかの蓋然性は、すでにその習慣を身につけている人とどれぐらい交わるのかという点と、その人との社会的な関係性の強さから見積もることができます。

また、社会に影響が広がる様子を示したモデルを構築し、そこに実際の観測データを組み込むことで、集団全体の生産性などに関しても、驚異的な正確さで予測することが可能になっています。そして、著者はこれらの予測をもとに、組織の改善や原点からの再構築をはかるため、社会への介入方法を開発しています。

これらのモデルは、数十万人規模の都市をイメージしたものへの拡張も可能で、都市の生産性などの改善にも役立てることができます。このような社会物理学は、画期的な成果をあげ社会科学に革命を起こしています。

また、企業の組織運営にも多大なる改善をもたらし、都市計画などにも大きなインパクトを与えています。

本書は、それらの最新成果について、研究者である著者自らの手によって綴られています。そして、社会と人間の普遍的な相互作用に関する画期的な研究について知ることができます。

良い社会を形成するためには、多様性のある集団を目指す必要がある、との著者の主張を理解することもできます。


あわせて読みたい