デュラハン京子の大胆な一面!サキュバス早紀絵のジレンマ | [書評]亜人ちゃんは語りたい(3)
漫画「亜人(デミ)ちゃんは語りたい」の3巻が発売された。
異色の学園コメディの第3巻だが、今回は2人の亜人ちゃんについて語りたいと思う。
真面目?大胆?
まずは、デュラハン(頭と体が分離した亜人)の町京子に関する話を語りたい。
第19話では、彼女が中間試験の結果発表で第5位という、トップクラスの成績優秀者であるのだが、誰かに強制されるわけではなく「好きで勝手に勉強しちゃう」と語るのだった。実際、筆者の学生時代の友人が、勉強してないと落ち着かないと言っていたのを思い出した。このことから、彼女が努力家で素直な性格だと伺えるだろう。
ただ、そんな彼女が大胆な一面を見せるのが第21話である。ヴァンパイアのひかりが高橋の頬にキスをしたのを目撃して、自室でこう考える。「じゃあ私がキスしてもいいんじゃないかなぁ…」そして、学校で高橋にキスをしようと自分の頭を持ち上げるのだが…。高橋への中学生らしい淡い恋心も可愛らしいが、個人的にはひかりとの友情が伝わってくるいい話だったと思う。
恋心と体質のジレンマ
また、第17・18話ではサキュバスの佐藤早紀絵と、この種族が生活していく難しさについてスポットライトが当てられる。この話から新しく登場したのが、亜人課の刑事である宇垣だ。サキュバスは他人を催淫して影響を与えるという点で、事件の原因となることがある。そのため、早紀絵は高橋に対する恋心を抱くも、催淫なしでちゃんと自分のことを好きになってほしいというジレンマを抱えている。
そして、そのジレンマに折り合いがつくのが第22話である。自分の性質について悩む早紀絵は高橋を催淫してみるよう宇垣に勧められて、高橋のいる理科準備室に足を運ぶ。自分への好意は催淫の効果でしかないとではと悩む早紀絵に対して、高橋は早紀絵の魅力を、催淫の性質込みで彼女の魅力だと語る。
この漫画が面白いのは、コンプレックスを抱く亜人ちゃんに対して、高橋が理解しありのままを受け入れる。そんなやりとりが、多かれ少なかれコンプレックスを抱く我々に対する癒しとなっているのだと思う。