絵本で読める哲学書!? | [書評]葉っぱのフレディ―いのちの旅
確かに名作絵本
葉っぱのフレディーは、いわゆる名作絵本として有名ですので認知度は高いです。
しかし、低年齢層向けの絵本ということもあり、小さいお子さんでもいなければまだ手にとってまだ読んだ事がない方も多いはずです。
強い人工的なストレスが多い中、哲学的な癒し感のあるこの作品には、結論を先に言うと、本当に確かに名作絵本なだけのことがあります。
心が洗われるような色彩の美しさ
良質なデザインが世に氾濫する現在でも、葉っぱのフレディーに描かれている水彩画や写真の美しい色彩は、4~5人の作品によるものらしく、新鮮で見応えがあります。
一言で言うと、心が洗われるような感じ、です。
絵本だから当然でしょう?と言う方も多いかも知れませんが、クリエイティブだからということだけでは説明がつかないような要素があり、なかなかお目にかかれない印象を受けます。
簡単でありがちなストーリーにもかかわらず、深い読後感
ストーリーは、死について考えるような作品。
その起承展開は、葉っぱの一生についてですので、当初なんとなく読み進めて行くうちに、先の読める感じがするありがちな感じがします。
ところが、それにもかかわらず、本を閉じてから数時間、数日、数週間、じわりと読後感が体全体に染み込んでいくような余韻に驚きを感じるのです。
著者は、哲学者であり、作家ではありません。
しばらく時間を置いてから、読者はあらためてそのことに気がつくのです。
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