血みどろの中の美しさ、チョコレートを堪能! | [書評]B.A.D. 1 繭墨は今日もチョコレートを食べる

B.A.D. 1 繭墨は今日もチョコレートを食べる
著者: 綾里 けいし
ISBN:4047262862 / 発売日:2010-01-30
出版社.: エンターブレイン

赤い唐傘を常に持ち歩くゴスロリヒロイン

理由なく人を殺せるぐらいでないと、狂っているうちには入らないさ

この作品の特徴は、なんといっても、ヒロインの美しさでしょう。

本作のヒロイン、繭墨あざかはとにかく美しい。容姿もさることながら、彼女の行動、そして彼女が吐く台詞が私たち読者を引きつけます。そんな彼女は、死体を目の前にして嗤いチョコレートを食べ始める。

そんなヒロインに注目しながら読み進めることこそ、この作品を楽しめる重大なポイントとなっています。繭墨あざかは、いつもゴスロリを身にまとい、赤い唐傘を常に持ち歩いています。また、事務所(自宅)での普段着はファンシーな可愛いものであり、そのギャップがたまらなくいいです。

ただ、他の作品のヒロインと違うところがあります。それは、完璧なる完成されたヒロインだという点です。基本、彼女は神様です。彼女に勝るという存在は存在せず、まるで人間ではない。だからこそ、人間離れしているからこそ、美しい、人形のようなヒロインとして存在し続けているのかもしれません。

ラノベにはあまり見られないグロさ

そうです。犬の腹を裂いたんですよ。瀕死の犬を追いかけてね。裏返して、生きたまま腹をグサァと裂いたんです。まだ動いている胃を開くと、胃液と血とゲロの中に、親父の耳がありました……。

この台詞はこの後、何行にも渡って続きます。

その台詞を語っているのは、この作品のキーパーソンである雄介という完璧に狂った青年です。とまあ、このような表現がずっと続くのがこのラノベの第一の特徴となっています。

本当に、この作品は「グロい」。
その一言に尽きます。内蔵やら血やらと、そういった表現が続く続く。作者の想像力というか、そういったものに、凄さを感じざるをえません。

この作品にて、常人が全くいないことに、読んで行くうちに気づくと思います。主人公がもしや常人では、と思い始めた矢先のどんでん返し。この作品は、本当に、すばらしい出来となっています。もし、ゴスロリとグロが好きな方は、読むことをお勧めします。

B.A.D. 1 繭墨は今日もチョコレートを食べる
著者: 綾里 けいし
ISBN:4047262862 / 発売日:2010-01-30
出版社.: エンターブレイン

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