古典に学ぶ、普遍的なお金との付き合い方 | [書評]私の財産告白

私の財産告白
著者: 本多 静六
ISBN:4408551228 / 発売日:2013-05-15
出版社.: 実業之日本社

お金の貯め方はシンプルなはず

お金を稼ぐことは勿論大切なのですが、その後の事と言うのはなかなか難しいです。稼ぐ割には貯められないという悩みを抱える人は少なくないのではないでしょうか。

この本はシンプルにお金の貯め方、使い方、お金とどう付き合っていくかということを指南している本です。古い本ではありますが、そういったお金との付き合い方というのは今も昔も変わらないということがよく分かります。

著者の勧めるお金の貯め方は、まず収入の1/4を貯蓄するといったシンプルなものです。

貯めてみると分かるかと思いますが、「残ったら貯金しよう」と思っていると多くの人は貯金が出来ません。本多さんの勧めるのは先取り貯金で、まず1/4を貯金して残りの3/4で生活するのです。最初からなかったものとして生活していくということで、最初はやはり厳しかったようです。

お金を貯めた後にどう行動するか

現在はゼロ金利時代ですから正直貯金したところでお金が増えることには期待はできません。

本多さんはこの1/4貯蓄した分で投資を始めました。それで資産を増やしていきました。最初は少なかった資産も、投資の利益でどんどんふくらんでいって裕福になりました。

同じような投資が現在に通じるかは分かりませんが、投資をすることもお金との上手な付き合い方のひとつですね。漫然とお金を貯めていくのも悪くはありませんが、増やすことに期待するのなら投資ははずせない選択と言えます。

どういったものに投資するかということではなくて、どういった気持ちで投資をするかという本多さんの考え方は時代が変わっても変わることのない価値観ですね。

お金は貸してはいけないものだ

本多さんがとうとうと語られていることのひとつに「お金は貸してはいけない」ということがあります。

そう言いながら何度もお金を貸しては裏切られている点に、本多さんの人の良さが垣間見えてきます。お金との付き合い方を若いうちに学ばないと、人に借りることになると思います。そして善意からお金を貸して裏切られることになります。

貸し借りは貸し金を生業としている人に任せて、貸し借りどちらの立場にも立つべきじゃないことがよく分かります。そうは言っても、一度くらい巻き込まれる可能性のあるトラブルといえますね。

今も昔も、お金は貸してはいけないのだなとしみじみ思わずにはいられません。

私の財産告白
著者: 本多 静六
ISBN:4408551228 / 発売日:2013-05-15
出版社.: 実業之日本社

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