【書評】異常性と日常性がいかに卑近しているのか | 銃
この作品は私に「異常」というのは実は「日常」の中に常に隣り合わせになっているのだということを教えてくれました。この主人公はただの平凡な男子大学生なのですが、彼が拳銃を拾うことで人生を一変させてしまうというのは、非日常的で物語的でありながらも、実はそれは私たちの人生とも密接に関係していることでもあるように思いました。
私たちの日常のすぐ隣には実は危険なことはあふれています。いつ自分が加害者になる課もわからず、被害者になるのかもわからない、ということはよく言われていることです。しかし、それについて考えさせられるような契機になってくれるような作品は実のところ少ないのかもしれません。
そんななかで、この作品は非常に私たちに啓示的な意味合いを持ってその異常性の身近さというものを教えてくれたような気がしました。
回答者:20代 男性
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