【書評】ワクワクする古典の講義です | 作家と楽しむ古典


古典文学の現代語訳をした作家たちが、その古典について講義した内容を本にしたものです。

役に立ったひとつめは、その古典についての作家たちの説明が、学者たちのそれよりもわかりやすく、ストンと腑に落ちたということです。とりわけ「古事記」についての池澤夏樹氏の講義なんて、わかりやすくて、読んでいてワクワクしてきます。さて、

ふたつめは、作家たちがその古典にどう取り組んだのか、という説明から、彼らの創作の秘訣みたいなものが見えることです。典型的なのが、「竹取物語」に挑んだ森見登美彦氏の講義です。森見氏は徹底的にキャラクターという点に留意して「竹取物語」を訳しています。セリフなんて、キャラクターに合わせて、原典にないような超訳をしたりしています。

なるほど、現代作家はこのように考えて小説を書いているのか、と理解しました。私自身、創作に興味があるので、このあたりがとても参考になりました。

回答者:60代 男性


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