【書評】この本は、経営者と従業員のための教科書です。 | 海賊と呼ばれた男(上)
主人公の国岡鐵三とその従業員の仕事に対する思いや、責任感、使命感を持って働く姿に共感しました。
戦後日本は度重なる空襲や、爆弾投下によって多くのものが根絶やしにされました。このような壊滅的な状況下において、多くの人が下を向き明日生きることに対して不安を抱いていました。しかし、鐵三は日本の復興に尽力しようと勇猛果敢にGHQに訴えるところや、従業員を1人も解雇せずむしろ、海軍の解体によって職を失った海兵を雇うなど、日本の復興に先陣を切って取り組む姿に働くことの本質を再確認させられました。
また、無茶苦茶といっていいほどの鐵三についてくる従業員の姿にも学ぶべきところがあります。過酷な肉体労働にも、従業員たちは愚痴を口にすることはなく、むしろ働ける喜びを胸に取り組む姿は啓蒙されました。現在の日本は様々な産業が発展し経済も戦後から比べると復興どころか、一時は世界の中でもアメリカに匹敵するほどの経済力を有しました。
このような現在我々が多くの産業を発展させることが出来たのは、産業の源とも言える石油があったからに違いません。戦後、空っぽだった石油産業に革命を起こし日本の潤滑油として機能させたのは、鐵三でした。そんな彼にわたしは、働くことの本質を学ばされ、人生の中での仕事の位置付けを再確認しました。
回答者:20代 男性
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