嫌味な上司に振り回されない為にすべき事 | [書評]小さなことに左右されない 「本当の自信」を手に入れる9つのステップ


目次を開いて受ける、ちょっとした衝撃

何に対しても自信がない、「自信さえあれば」といつも考えているあなたが、この本を手に取り、「よし、自信をつけるぞ!」と意気込んで、目次を開いた瞬間にちょっとした衝撃を受けるでしょう。

そのタイトルは予想を超えたものだからです。例えば、STEP3のタイトルは「無理に自信をつけようとしない」ですし、STEP5のタイトルは「今はこれでよいと受け入れる」です。自信をつけるなと言われ、これでよいと受け入れるのなら、自信なんてつかないのではと思うかもしれません。

しかし、これまで読んできた「これで自信がつく」と書かれた自己啓発本にあなたは何度か失望してきたのではありませんか?ポジティブな言葉を並べ立てただけの内容のない中身に、うんざりしてきた人も多いはずです。

「DO(する)の自信」ではなく「BE(ある)の自信」を得よう

この本の趣旨はけっして「頑張って自信をつけよう」ということではありません。本当の自信とはなんなのかを分析し、その自信をとりもどすための心の在り方を示した本です。

その分析の一つに「『できる』から生まれた『自信』はもろい」というコメントがあります。成果による自信は状況次第で簡単に折れてしまうものであり、そこを基盤に置いた自信は簡単に失われてしまいます。これを著者は「DO(する)の自信」と呼んでいます。それと比較して、著者が得るべきだとしているのは「BE(ある)の自信」。

これは自分の内面の在り方についての自信であり、自分に対するそこはかとない肯定感や安心感のことです。この自信を得ることができれば状況や人の評価に左右されずにいられ、常に幸せな気持ちと満足感を感じることができ、例え一時的に失うことがってもすぐに取り戻すことができると著者は語っているのです。

自信を失わせる相手にふりまわされない方法

また「自信を失わせる相手にふりまわされない方法」についても述べられています。

「おまえはダメだ」と言われた時、「早く結婚しなさい」と言われた時、「君ならノルマを達成できるよね」とプレッシャーをかけられた時などを例に挙げ、批判的だったり、プレッシャーをかけてきたりする人たちへの接し方を実にわかりやすく的確に教えてくれます。特に私が心を揺さぶられたのは次の一節です。

「何を言われても平気な人」に限りなく近づくことは可能です。それは「人を批判する人は、自信がない人」という見方をすること。これは単なる方便ではなく、実は本当のことです。

精神科医でもある著者が述べる言葉であるだけに説得力があります。

いつも自分を批判ばかりする憎たらしい上司が、実は「自信のない虚勢を張ったかわいそうな人」に見えてきませんか。そう思えるのなら、ぜひこの本を全部読んでみてください。嫌味な上司の言葉に左右されない自信に満ちたあなたを発見するチャンスだと思いますよ。


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