歴史と謎と青春が交差するミステリー | [書評]黄金の剣は夢を見る

黄金の剣は夢を見る
著者: 西谷 史
ISBN:4094520023 / 発売日:2007-05
出版社.: 小学館

学生らしい話とミステリー

高校生としての主人公たちの未熟さと、それでも前に進む若さが見える作品です。歴史をひもとくというミステリーと謎ときの部分と、現代の学生らしい悩みをもつ彼女たち。正義感が強く、ちょっとだけ実直すぎつ性質のあるキューちゃんこと、今作のヒロインの弓里夏美。彼女の大親友で、すごい美少女であるアリス。気弱だけどトレジャー・ハンターになりたいと熱望している少年・相馬仁。

おなじ歴史ミステリー部に所属することになった彼女たちが、部活動で地元の謎に挑んでいく。それは部活動だからと言えるだけではない、彼女たちの日常を描いています。

高校生活のスタート

『山王の向かうところに岩屋あり。神穴に御剣刺せば、天上天下思いのままに』

高校生になった夏美とアリスは、クラスは分かれてたものの同じクラブにはいることにしていた。というよりもアリスは、キューちゃんから離れられなかったからだった。

文化部の見学に行き、アリスが惹かれた歴史ミステリー部に入ることにする。そこにはなぜかつながりが見えないのに、ある生徒からいじめをうける相馬仁がいた。クラスでのおとなしさが嘘のように、いきいきと謎について語る仁が気になる夏美。

一方、ひとつ年上の信田が気になるアリス。新しく始まった高校生としての生活の中、部活を楽しみながらのクラスのなかでの仁へのいじめに憤慨する夏美。それは、彼の家族のことが原因だった。

明かされていく、隠されたもの

初夏の風があたしとアリスの髪を絡みあわせ、そして仁くんのほうに流れて行った。

ひとつの謎を解いて、部活として活動方針を決めて行く中、仁をいじめていた大島が、大きなトラブルを起こす。止めようと入った夏美は処罰は免れるけれど、とても気落ちする。アリスはそんな夏美を慰める。いままで夏美の後ろに隠れていた彼女も、成長していた。

停学処分を受け、学校に来れない仁のためにノートを持っていたりする夏美。仁の両親からの信頼を受けながら、新入生歓迎会へと彼を誘う。そして、当日。仁は昨夜から帰っていないと、彼の両親から連絡がくる。

黄金の剣は夢を見る
著者: 西谷 史
ISBN:4094520023 / 発売日:2007-05
出版社.: 小学館

あわせて読みたい