いい年をした女性が、なぜ自分自身を”女子”と呼ぶのか | [書評]貴様いつまで女子でいるつもりだ問題


女性ならきっと共感できる、”女子あるある”が満載

本書は女子というものについて、著者が体験したことや感じたことが綴られています。

本来の意味での女子は女児と同義語のはずですが、近年女子会などの言葉にも使われるように、成人女性に対しても女子と言う言葉が使われその単語はとても広域に使われています。しかし、一体何歳まで女子と自称していいものかという葛藤があるのも事実なのです。

本書は、以下のような独特な言い回しから始まります。

板垣死すとも自由は死せず!加齢すれども女子魂は死せず!

板垣死すともタトゥーは消えず!私たちは生涯、女子の墨を背負って生きていくのであります。

著者は、女子とは自分では彫ったつもりがなくても気付いたらいつのまに彫られていた刺青のようなものだと例え、親しい人には隠さなくてもいいけれど、誰彼構わず見せびらかせば驚かれてしまうこともあると書いています。

面白い例え話ですが、確かにその通りという話でもあると思います。見せて良いときと隠すべき時、隠してはいても、消すことは出来ないもの。本書は、そんな大人女子の葛藤や心のうちを紐解くような内容となっています。

軽快な語り口に読み手は気分爽快!

著者の語り口や言葉の使い方が非常に面白く、内容以前にそこから魅了されます。言葉遣いが乱暴な部分もあるのですが、読んでいて少しも嫌な気分になりません。ここでいう乱暴な言葉遣いとはもちろん良い意味です。内容も言葉遣いも決して綺麗にまとめられているだけではないのですが、不思議と悪口のような嫌な感じはありません。

軽快な文章にどんどん引き込まれ、まるで著者が自分の身近な人であるかのような親近感すら覚えます。本書を読みながら、そうそう~そういうことってあるよねぇとつい相槌を打ちたくなるような、仲の良い友人の話を聞いているような、読んでいて楽しい気持ちになる1冊だと思います。

女性だけでなく、男性にもオススメ

こちらは女子とは何なのかというような女性向けの内容ではありますが、男性が読んでも面白いのではないかと思います。

いい年をした女性が自らのことを女子と形容する様子は、人によっては違和感を覚えるものかもしれません。しかしそんなときの彼女たちの胸のうちを、本書は見事に伝えてくれると思います。この本を読めば、女子と言う言葉に関して感じる疑問やもやもや感が解消されるかもしれません。


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