【書評】セラピストというよくわからない仕事をわかりやすう解説した名著です。 | セラピスト
あるセラピストのところに、子供の不登校に悩む親が来ました。子供との面接のあと治療を開始します。その後紆余曲折あったもののセラピストの熱心な治療もあって、その子は無事に登校ができるようになりました。
親からは感謝され、セラピストもほっとひと安心しました。しかし、その数日後、その子は自殺をしてしまいました。
心の病気はとても複雑なもので、表に出ている症状だけを改善しようとすると逆効果になることがあるのです。この場合、直ったのではなくて症状を上から押さえつけただけだったのです。モグラたたきのように押さえつけられた力は、別のところから最悪の事態となって吹き出したのでした。
心理学者は単純に症状が消えたことを喜んでいてはいけない。必ずもうひとつの側面があるのだということを、忘れてはいけないのだ。そう作者は書き記しています。
心理学者ではない私たちでも、心に刻んでおくべき言葉だと思いました。
回答者:50代 男性
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