使用厳禁! 仕事で使ってはいけない10のバカ言葉 | [書評]まれに見るバカ

まれに見るバカ
著者: 勢古 浩爾
ISBN:4896916018 / 発売日:2002-01
出版社.: 洋泉社

基本的に世の中バカばかり

バカの定義は自分がバカだと思ったやつがバカです。最初から辛辣です。男はバカ。女はバカが多い。バカの子供はバカ。世の中基本的にバカばかり。バカという単語がいくつも出されています。

バカに関してまじめ風に文章を書いている著者も自分はバカであるというパラドックスが垣間見えます。バカを例えて、それがどうしてバカなのかを大真面目に説明しています。当てはめると自分もバカだと感じますが、それはカテゴリとして、結果的にバカだと感じます。あるあるネタのように面白おかしく読むことができました。

バカ言葉10

「わたしの嫌いな10のバカ言葉」のまず最初は、「何様だと思ってるんだ」である。

第五章では著者の嫌いなバカ言葉を10挙げて一つ一つ解説していきます。それが、主観を完全に押し出していて、もっともらしい分析と屁理屈でバカ言葉として認定していきます。言葉として発している対象がどんな心理状態なのか、背景にあるところを言及していますが最終的に「何様」の語感が好きじゃないという理由で、バカらしくて思わず笑ってしまいました。

また、自分をバカと表現する人間の心理状況を経験から解説しています。自分を馬鹿って言うのはいいけれど、人にバカって言われたくない人が多いらしいです。

著者は疲れているんじゃないかな

全編通して読み進めていくと、バカの話をくそまじめに書いていてバカじゃねえの?といった自虐的な部分を伺えます。

有名人を相手取ってどこがバカなのかを解説し、街に溢れているバカ家族のセリフ一つ一つを解説し、これまでであってきたバカな発言をどうバカなのかを解説して、総てに著者なりにツッコミを入れている様をを読んでいると、同意しながらも、著者も自分も日常の疲れやイラツキを感じます。同時に、自分のバカさ加減や日常に対する悩みがどうでもよくなりストレスが軽減されました。

人それぞれいろんな人がいて、そんなことに都度悩んだりしても仕方がなく、笑い飛ばした方が幾らかマシだなと感じさせてくれます。人間関係の言葉や性格に関するもつれが生じている時はこの本を読むと少しだけ気が楽になります。

まれに見るバカ
著者: 勢古 浩爾
ISBN:4896916018 / 発売日:2002-01
出版社.: 洋泉社

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